うたわれるもの 二人の白皇 を攻略した男が語る感想・評価(アプリ版有)

うたわれるもの 二人の白皇 を攻略した男が語る感想・評価


出典:うたわれるもの 二人の白皇

 

評価

歴史に残る神作品 食わず嫌いは本当に損

制作

AQUAPLUS

特徴

異世界 古風な世界観 壮大なシナリオ 日常メイン 主人公ボイス有 完結編

対応ハード

PSVita PS4 アニメ スマートフォンアプリ

あらすじ・感想

ここでは前作 うたわれるもの 偽りの仮面 から長い時を経て、2022年の夏アニメにてついに放送される うたわれるもの 二人の白皇 の原作を攻略した私が極力ネタバレを控えながら思う存分語っていきたい。

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まず最初に

この作品は3部に及ぶ うたわれるもの シリーズの最終章。
故に前作 偽りの仮面 のラストシーン等諸々のネタバレがあるのでご了承いただきたい。

もちろん本作に関するネタバレはしないよう全力を尽くすので安心して欲しいが、物語の序盤についてはあらすじ等で触れさせてもらう。この点もお許しいただきたい。

前作めっちゃ気になる終わり方だったけどあらすじどんなだっけ?(偽りの仮面ネタバレ注意)

とりあえず前作から時間が経っているので、偽りの仮面終盤から触れていく。

帝都を統治する「帝」の崩御、それを皮切りに少しずつ歪んでいくヤマトの内情。帝と皇女アンジュに毒を盛ったとして投獄されるオシュトル。

そしてその現状を嘆き、「戦乱の世に向かっていくヤマトに必要なのは力ある統治者だ」とアンジュの存在を否定し始める八柱将 ヴライ。厄介すぎんだろ。

もうこうなって来ると八柱将全てがきな臭く感じちゃうよね。

宮廷へ侵入しオシュトル、アンジュの救出をしたハク達だったが、その前に立ちはだかるのは八柱将ヴライ。
命に手のかかる程の戦闘で勝利を手にしたハク達はヤマトを脱出しオシュトルの故郷へ向かう。

だが腐っても八柱将きっての実力者だったヴライ。1度は敗北を喫したものの、再びハク達を追いかける。
ヴライの接近を察して一人残る重傷のオシュトル。
その背中を見て、傷だらけのオシュトルをそのまま見送るのは無理だと言い後を追うネコネとそれを支えるハク。

まだわかる。ここまでは耐えれた。
これ以降は辛すぎて画面直視出来なかった。ほんまにきっつい展開

ネコネとハクを庇って深い傷を受けたオシュトル。仮面の力を解放しヴライにも致命傷を負わせるが、結果として命を落としてしまう。

オシュトルは命の灯火が消える寸前、ハクに対して「姫殿下を頼む」という言葉を仮面と共に残す。
憧れだった兄を失い茫然自失のネコネと、オシュトルより仮面と未来を託されるハク。

託された仮面と残った装束を身にまとい己がオシュトルとして生きていく決意をするハク。事情を知っているネコネは共犯者としてこの秘密を隠し生きていく。
ここの決断する場面がまーじでしんどかった。胸が締め付けられるとはまさにこの事。

仲間に追いついたハクとネコネは、「オシュトルは死んだ」という事実を「ハクが死んだ」と偽り皆に伝える。

結果、1番長い時を共にしたクオンが傷心から戦線を離脱。トゥスクルに帰還してしまう。

ガチでしんどい展開。長い長い日常パートの後にこの重さのシナリオはやっばい。
温度差きつすぎんだろ。終盤に畳み掛けてくるシリアスパートの連続。心臓がもたん。

そして最後の場面。
茫然自失のクオンがヤマトからの追っ手に対して暴走。迎えに来たオボロに抱きしめられ慟哭して物語が終わる。

アニメ勢からしたらこのままお預けくらってたんだから色々言いたくなるのもわかる。続きが気になりすぎるよな。

今作はどんな感じで話進むの?

長い前置きをしたけど、ここからは本編の二人の白皇に関して、序盤のあらすじとか色々語っていきたい。

まずは離脱したクオン視点から物語が始まる。が、ここに関してはけっこうなネタバレポイントなので細かくは触れないでおこうと思う。
ざっくり書くと、トゥスクル陣営の懐かしい顔ぶれの紹介やこの状況に至った経緯等導入を丁寧にやってくれる雰囲気。散りゆく者への子守唄を履修した人達はかなり感傷に浸れる場面。そしてこの後クオンがどのような立ち位置で物語に関わってくるのかというところが語られる。

一方こちらはハク陣営。

オシュトルが死に、クオンが離脱。
心身ともに疲労困憊のハク達だったが、どうにかアンジュをオシュトル達の故郷「エンナカムイ」に避難させることに成功する。

毒により喉が焼け爛れ、言葉を発する事もままならない程弱ってしまったアンジュ。その回復を待ちながら、自分たちも立て直しを図るハク一行。

だがその一方で、統治を失ったヤマトでは八柱将随一の頭脳を持つ智将ライコウが偽の皇女を擁立し、ヤマトを掌握しようという目論見が始まる。

エンナカムイにて療養し、少しずつ快方に向かうアンジュ。大好きだった父の崩御やハクの死、ヤマトの現状、様々な事が重なり葛藤を抱えるが、「父から貰ったこの名前と地位は誰にも譲らない」と決心し、偽皇女の神輿を担いだヤマト相手に戦いを挑んでいく。

って感じでもう序盤からすっごい濃いの。
怒涛の展開とかじゃ言い表せないくらい苛烈で熾烈な展開。

でもそれだけで底が見えるようなシナリオじゃない。

たしかにまず第一の目標はヤマト奪還だけど、物語全体で見たらまだまだその他気になる部分残ってるよね?って話がある。

クオンって結局何者だったの? とか 大いなる父の遺産の結末は? 何やかんやで仮面と適合したハクだけど、身体は大丈夫なの?てかオシュトルとして過ごしてバレないの?とか山積みも山積み。

終盤にかけてどんどん面白くなっていくのがまじで凄い。時間が溶ける溶ける。

ちなみにアニメは全28話予定らしい。まじで英断が過ぎる。天才。これを12話構成でやるなんて言ったら憤死するところだったよ。

キャラクターに関して

なんと言ってもこれが一番見所。

偽りの仮面から二人の白皇へ移り変わる激動の情勢。その荒波に揉まれ、仲間を失い、ハク達にどのような変化があったのか。
このキャラクターの心境の変化や成長の描写がすっごいの。もうまじでとんでもなく良い(語彙力)

そしてその中でも特に変化のあったハク、ネコネ、クオンについて語らせてほしい。

まずはハク。
今までは頭を使いながらもどちらかと言えば楽天的、内面では色々な思考を巡らせていても飄々とした雰囲気だった青年。
が、これからは「オシュトル」として生きていく。
上に立つ者として指示を出し、皆を導く存在。
それと同時に誰よりも前線に立って仲間を守らなければいけない。それをこなすのがオシュトルという存在だからだ。
自分自身に残っているハクの部分を限界まで削ぎ落としてオシュトルとして生活する日々。ふと安堵した時に溢れるハクとしての本音。この二面性がえぐい。惚れた。
別人に成り代わって生きるなんて普通無理だと思うじゃん?それをこなすのがハクなんだよね。持ち前の観察眼を駆使して今まで見てきたオシュトルという存在を体現する。このある種の自己犠牲とも思える精神が私みたいな人間には深く深く刺さる。最後の最後まで自分の責務を全うする心優しき青年。それがこの物語の主人公、ハク。

続いてはネコネ。
いやもう辛すぎる。序盤からずーっとしんどい。
目の前で憧れの兄を亡くし、真実を仲間に隠すという深い業を背負った少女。
そして今まで仲間として接してきた人間を、大好きだった「兄」と呼ばなくてはいけないその心境。まじできっつい。
何が一番きついってオシュトルは自分を庇って死んだという紛れも無い事実があるからだよね。
気丈に振る舞ってるネコネがふとした時に自責の念に駆られるあの瞬間が見ているこちらとしてもかなり辛い。
それでもオシュトルの妹として、生き残った者として、小さな身体でハクを支えるその姿には泣いた。もうボロボロ
に。

最後にクオン。
故郷出て旅をして、ハクと出会い色んな景色を見た。
長い長い旅を共にして来たが、突如訪れる終わり。
しきりに「保護者として」という立場を強調してきたクオンだったが、本当にそれだけだったのだろうか? それだけで見ず知らずの青年とここまで共に歩んで来れるのだろうか? その心を考えただけで苦しくなるよね。
この一連の展開で一番立場に変化があったであろうクオン。仲間と離れトゥスクルに帰還してしまったが、今後どんな形でヤマトと関わっていくのか、オシュトルとして生きるハクとどんな形で再開するのか、この辺の展開本当に大好き。アニメでも是非丁寧に描写していただきたいところである。

最後に

偽りの仮面だけ、二人の白皇だけそれぞれ個別だと何が何だかって感じだけど、ある程度の概要を把握してから参入すると途端に神作品になる。

たしかにシリーズ三部作あるしボリュームもかなりあるから追うのは大変かもしれないけど、その分素晴らしい物が出来上がってる。これは保証できる。

アニメで追うのも良いし、ゲームやアプリを活用するのも良し、とにかく少しでも興味のある人は軽率に手を出して欲しい。
私が人生で一番泣いた作品です。

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